流浪の月〔凪良ゆう〕|あらすじと感想

ワンピースの112巻が発売されました!

最近はジャンプで追っているので内容はほとんど知ってますが、やっぱり単行本で一気に読みたい!

帰省したら(実家で全巻揃えてるので)、いつも一つ前の巻から一気読みしてます。

凪良ゆうさんの、『流浪の月』読みました。

目次

本の紹介

本の名前

流浪の月

著者名

凪良ゆう

出版年

2019年

『流浪の月』本

あらすじ

小学生の家内更紗と、大学生の佐伯文。

誰にも言えない心の傷を持っている、訳ありの二人。

家に帰りたくない更紗は、公園で出会った文の家へ行き、しばらく一緒に暮らします。

更紗の傷には触れず、何も強制せず、自由な暮らしをさせていました。

更紗にとって、文のもとは安全で居心地の良い居場所。

だけど世間はこれを誘拐事件として扱い、二人を「加害者」と「被害者」と決めつけます。

もちろん、誰もそれを疑うことはしない。

真実を知らないのに、、

15年経ち、二人が再会。

お互いを必要とし、共に生きていこうとするも、「ロリコン誘拐犯」と「可哀そうな被害児」というレッテルが邪魔をします。

それでも更紗と文は、過去にとらわれず、誰にも理解されなくていいから、自分たちの選んだ人生を生きていくことを決意します。

流浪する月のように、どこかに確かな居場所を求めて。

世間の “正しさ” や “善意” では救えない、見えない心の痛みと、それを抱えながらも前に進もうとする静かな強さを描いています。

本文の引用

  • 誰かにわかってほしいと願ったこともあったけれど、もう、いい。どれだけ心や言葉を尽くしても、わかり合えない事はたくさんある。手放すことで楽になれることは、もっとたくさんある。
  • 事実と真実の間には、月と地球ほどの隔たりがある。
  • こんなに思いやりがあふれている世界で、これほど気遣ってもらいながら、わたしは絶望的にわかり合えないことを思い知らされるばかりだ。
  • 目に見えなくて、どこにあるかもわからなくて、自分でもどうしようもない場所についた傷の治し方を考えた。

本文より引用

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感想

「本屋大賞獲った本」ってことは意識しないように読んだつもりです。

それでも、今まで読んできた本とは少し違う、ぐっと引き込まれる感覚がありました。

睡眠はしっかり取りたい派なので、寝る前の読書は10分か15分くらいと決めてるんですけど、この本読んでるときは、気づけば30分くらい経ってて。

ちょっと重くて、心臓がギュッてなることが多いけど、それでも先が気になってページをめくる手が止まらない。

こんなのはちょっと久しぶりでした。

当事者にしかわからない真実。

何を話しても信じてもらえず、ほしくもない同情や優しさに苦しむ。

読んでるこっちまで、心がえぐられそうで。

気遣ってもらっても、絶望的にわかり合えないと思い知らされたときの気持ち、

自分は「ハズレ」なんだと気づいたときの気持ち、

これらはきっと本人たちしかわからないんだろうなと思います。

2人でいた大切な時間が、2人をいつまでも苦しめる。

時間が解決してくれることはなく、過去がいつまでも付きまとう。

辛いとか、哀しいとか、そういう感情を通り越してそうな二人を見てるのがしんどかったです。

「どうして世間は『真実』を知ろうとしないの?」

「これ以上二人を苦しめないで」

と何度思ったことか。

普段ニュースやSNSで見る情報も、実は「真実」じゃないのかもしれない。

それなのに、いろんな人が口々に、好きなように意見する。

それが当事者たちにどんな傷を与えるか、知りもしないくせに。

誘拐、DV、ストーカー、、

こういう内容の小説は敬遠しがちなのに、こんなにも引き込まれるとは。

「素敵な話」とは言えないけど、人に勧めたくなる本です。

初めての凪良ゆうさんでした。

他のも読んでみたいと思います。

著者の紹介

凪良ゆうさん
  • 1973年生まれ、滋賀県出身
  • 30代で小説を書き始める
  • 流浪の月」と「汝、星のごとく」の2作で本屋大賞受賞

この本をおすすめしたい人

  • 繊細な人間関係や心情を描いた物語が好きな人
  • 家族とは違う絆に惹かれる人
  • 現実では見えにくい人の心の痛みや孤独を知りたい人

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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