プリズン・ブレイク3回目くらいなんですが、覚えてないところもあって、
この後どうなるっけ?
の繰り返しで止まりません。
村田沙耶香さんの、『コンビニ人間』読みました。
本の紹介
- 本の名前
-
コンビニ人間
- 著者名
- 出版年
-
2016年


あらすじ
主人公の古倉さんは、36歳独身女性。
大学時代からずっとコンビニでアルバイトをしています。
彼女は小さいころから「普通」とされる感覚が周囲と少しズレていて、
空気を読んだり、他人の感情を察するのが苦手なタイプ。
幼いころ、周囲をゾッとさせる発言をしたり、トラブルを暴力的に止めようとしたりと、
「普通」の子どもとしては問題視される行動が多く、家族や学校からも「治す」ことを求められてきました。
そんな中、彼女なりに見つけた「正解」が、コンビニという場所。
マニュアル通りに動けば褒められ、制服を着ていれば「店員さん」として社会に認められるから。
自分を社会の一員として機能させるには、コンビニで働くことが一番適していることに気づきます。
コンビニの世界に自分を馴染ませ、言葉遣いや態度、人との接し方さえもマニュアル化し、「普通」を装って生きる。
彼女にとってコンビニは、生きるためのシステムであり、自分の存在を実感できる場所でした。
「普通」に合わせることが目的化していた彼女の人生は、
白羽(しらは)という男性との出会いをきっかけに、少しずつバランスを崩し始めます。
誰の、どの意見が「普通」で、私はどれに合わせればいいのか、
どれに合わせれば、「普通」と思われるのか。
そんな葛藤もありながら、古倉さんは自分の価値観や「普通」を見つめ直し、
納得のいく人生を生きるため、もう一度「自分らしくいられる場所」を探します。
本文の引用
- 朝になれば、私はまた店員になり、世界の歯車になれる。そのことだけが、私を正常な人間にしているのだった。
- 皆、変なものには土足で踏み入って、その原因を解明する権利があると思っている。私にはそれが迷惑だったし、傲慢で鬱陶しかった。
- 自分の人生に干渉してくる人たちを嫌っているのに、わざわざ、その人たちに文句を言われないために生き方を選択するんですか?
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感想
前半は主人公に驚きしかなかったけど、
ある意味こういう小説が新鮮でおもしろく、あっという間に読了。
「普通」に見られるように、マニュアル通りにきっちり働くコンビニ店員を演じたり、
周りに合わせようとがんばって空気を読んだり、話を合わせたり。
古倉さんの努力というか、仕方なく足掻いてる感がなんとも印象的。
それに、社会の「レールを外れた人」に向けられる無言の圧力、あれがすごくリアルに描かれてて。
結婚してないとか、正社員じゃないとか。
物事の捉え方、感じ方が「ちょっと違う」のも。
勝手に「普通じゃない」烙印を押されるのって、理不尽極まりないな。
「みんなと同じ」が正解みたいに扱われる世の中。
小学校で、「みんなちがってみんないい」とか習ったけど、あれは子どもにだけ許された理想ですか?
って思ってしまいました。
多数派が正解とは限らないし、「違い」は魅力や強み、その人だけの価値でもあるのに。
自分らしさを押し殺して生きるより、
自分の価値観や本能に従って、生きやすいと感じる道を選ぶほうが、
ずっと意味のある人生になる気がします。
みんながみんな、個性万歳!マインドだったら、もう少し楽な世の中なんでしょうか。
「普通」ってなに?
誰が決めるの?
そもそも今のこんな世の中に「普通」ってあるの?
いろいろ考えるきっかけをくれる本です。
こういう本は嫌いじゃないな。
あ、後味は悪くないです。
私的にはむしろ、スッキリとした結末でした。
「うんうん、それでいいと思う」って古倉さんを応援したくなりました。
著者の紹介
- 1979年千葉県生まれ
- 「コンビニ人間」で芥川賞を受賞(受賞後もコンビニでアルバイトを続けていたそう)
- 現代社会の価値観やタブーに関するテーマが多い
- 海外でも翻訳され、国際的に人気がある
- 地球星人
この本をおすすめしたい人
- 「普通」や「当たり前」を求められることに違和感を感じる人
- 「自分らしさ」を模索している人
- 独特なストーリーを好む人
最後まで読んでいただきありがとうございました。