今回は、2023年〜2024年にかけて行われたテイラーの『The Eras Tour』についての記事です。
今年に入って、東京公演からもう一年かと当時を振り返っていたら、やっぱり文章に起こしておきたくなって、すごい今さらになりましたが、時間をかけて書き上げました。
かなりのボリュームになったので、
- 〜総集編〜
- 〜全曲レビュー編〜
- 〜東京公演編〜
の3つに分けています。
この記事は、『 〜総集編〜 』
主にツアーの概要や映画化、サブスク配信についてなど、ツアーに関するまとめ記事のような内容になっています。
他2つと合わせて読んでもらえると嬉しいです。
21世紀のトップアーティストに輝いたテイラー(ビルボードが発表)が興行収入歴代最高を記録した壮大なツアー。
たくさんの人に知ってもらえたらと思います。


ツアーの概要
ツアー名とコンセプト
ツアー名は、『 The Eras Tour 』
Eraとは「時代」「時期」のことで、歴史や時間の流れにおける特定の期間を指します。
つまり、このツアーにおける「Era」は、一つのアルバムから次のアルバムまでの期間を意味していて、
これまでにリリースしたすべてのアルバムとその時代の思い出を、
ファンのみんなと冒険しながら巡っていく(実際にテイラーがライブ中に話しています)というコンセプトのツアーです。
TAYLOR SWIFT | THE ERAS TOUR より引用
新しいツアースタイル
これまでのツアーは一つのアルバムをテーマにしたものでしたが、今回はアルバム(=Era)ごとにまとめたセットリストになっていて、
テーマやステージセット、衣装がそれぞれのEraに合わせて大きく変わり、すべてのEraの魅力を余すことなく堪能できる
「スペシャルバラエティパック」
のようなツアーでした。
それぞれのEraにタイムスリップしたような、まさに「冒険」という言葉がぴったりのライブです。
2020年に予定されていた7枚目のアルバム『Lover』のツアー(『Lover Fest』)は、パンデミックの影響で残念ながら中止となりました。
待ちに待った今回のツアーは、『reputation stadium tour』(2018年)以来およそ4年半ぶり。
これまでアルバムをリリースするたびにツアーをしていたテイラーが、パンデミックによりツアーの開催が叶わなかった
- 『Lover』
- 『folklore』
- 『evermore』
の3作をそのまま置いていく(ツアーをせずに次にいく)とは考えにくいですよね。
そう思いながらも、まさか過去作すべてを含むツアーになるとは思わなくて、またもテイラーにしてやられました。
ツアーの発表があってから、どんなツアーになるか想像するだけですでに楽しく、そのときは日本公演の予定はアナウンスされていないにも関わらず、かなり舞い上がっていたのを覚えています。
ただ、
- 『Lover』
- 『Midnights』
- 『THE TORTURED POETS DEPARTMENT』
これら単体のコンセプトのツアーで、アルバムの大半の曲をライブパフォーマンスで聴けたかもと思うと少し惜しい気持ちもありました。
また、『folklore』/『evermore』の姉妹アルバムでツアーを組んだら、
アルバムの世界観をそのままステージに持ってきたようなストーリー性たっぷりのライブになりそうで、それも見たかったなと思ったのも事実です。
でもそんな惜しい気持ちは、実際にこのツアーに参戦したらほとんどなくなりました。
どのEraもお腹いっぱいすぎる内容で、これ以上はないと思える最高のパフォーマンスをテイラーが魅せてくれたからです。
ツアー日程と公演数
ツアー日程
ツアーは、
2023年3月17日アメリカのグレンデールでスタートし、
2024年12月8日カナダのバンクーバーでフィナーレを迎えました。
お休み期間もありましたが、一年半以上のロングランツアー。
テイラーは多くの都市で、特別な時間を共有してくれました。
日本公演
日本(東京)公演は
- 2024年2月7日(水)
- 2024年2月8日(木)
- 2024年2月9日(金)
- 2024年2月10日(土)
の4日間。
2024年記念すべき1都市目で、しかもこの時点で4日間連続の公演は初めてでした。
日本公演アナウンスの詳細は、『 〜東京公演編〜 』に書いています。
ツアーがスタートしたころは、日本公演の予定がなかったんです。
そういったことも含めていろいろ書いてるので、こちらもぜひ。↓

公演数
全部で152公演が予定されていましたが、実際に行われた公演は149公演です。
2024年8月に開催予定だったウィーン(オーストリア)での3公演が、テロ計画の発覚により中止になりました。
テイラーも怖かっただろうし、来場者や市民の安全を第一にとはいえ、苦渋の決断だったんだろうなと思います。
荒天や酷暑により延期になった公演はありましたが、中止となったのはこのウィーンでの3公演のみでした。
ライブを心待ちにしていた何万人ものファンと、テイラーの気持ちを思うと、本当に胸が痛みました。
セットリストと公演時間
セットリスト
セットリストはツアー中何度か変更があったので、ここでは東京公演のセットリストと、大幅な変更によって誕生した『The Eras Tour:Chapter 2』のセットリストの2つを紹介します。
※『The Eras Tour:Chapter 2』は私が勝手にそう呼んでいるだけで、公な呼び名ではありません。
その前にセットリスト変更の経緯から。
変更された理由は、ツアー期間中にリリースされた以下のアルバムにあります。
リリース日 | アルバム名 |
---|---|
2023年7月7日 | Speak Now (Taylor’s Version) |
2023年10月27日 | 1989 (Taylor’s Version) |
2024年4月19日 | THE TORTURED POETS DEPARTMENT |
このうち、『Speak Now』(Taylor’s Version)と、
『THE TORTURED POETS DEPARTMENT』のリリースがセットリスト変更のポイントとなりました。
セットリスト変更 ①
まず、2023年7月7日に『Speak Now』(Taylor’s Version)がリリースされ、
その日行われたカンザスシティ公演から、「Long Live」がセットリストに追加されました。

ファンやバンドメンバーに贈られた曲とも言われていて、この曲なしではテイラーを語れないと思っている曲です。
でも今回、この日まではセットリストに入っていなくて、、
今回のツアーで、このセットリストで、「Long Live」なしなんてある?
と不思議で仕方なかったですが、きっと思い入れの強い曲だからこそ、『Taylor’s Version』をリリースしてから歌いたかったのかなと思いました。
サプライズゲストやオープニングアクトが登場する公演もあり、この日以降、ほかの曲で若干の変更がみられたものの、2024年3月のシンガポール公演まで、この曲が追加されたセットリストでパフォーマンスされました。
2024年2月の東京公演も、「Long Live」入りのセットリストです。
セットリスト変更 ②
もう一つ紹介するセットリストは、大幅に変更されています。
変更は、2024年5月9日のパリ公演から。
この日は、同年4月19日にNewアルバム『THE TORTURED POETS DEPARTMENT』(以下TTPD)がリリースされてから初めての公演です。
そのタイミングで、このアルバムも一つのEraとしてセットリストに組み込まれました。

ファンの間では、このNewアルバムがセットリストに入るんじゃないかという予想がされていて、私もそんな気はしていたのですが、
頭のどこかで、TTPDがダブルアルバムで曲数も多く、今回のツアーに少し入れる程度ではなんかもったいない気もするし、別でのツアーもあり得るのでは、、?(それはそれですごく嬉しい!)と思っていました。
でもそんなことはなく、ばっちりセットリストに組み込まれ、この日から、『The Eras Tour:Chapter 2』が始まりました。
3月9日のシンガポール公演(TTPDリリース前最後の公演)から5月9日までの2か月間、お休み期間かと思わせといて、実はTTPDパフォーマンスの準備期間だったということですね。
2か月であの完成度はさすがとしか言いようがないです。
この、TTPDのセットリスト入りに関しては、もうちょっと書いておきたいことがあって、、
このツアーが映画化された『Taylor Swift|The Eras Tour』(後ほど詳しく書いてます)で、テイラーがこのツアーの誕生秘話をライブ中に話しているシーンがあるんですけど、
そのときに
「ツアーをしていない ”5つ” のアルバムも全部一緒に」
みたいなことを言ってたんですよね。
そこで ? ? ? となりました。
『reputation』を引っ提げた前回のツアー以降にリリースされたTaylor’s Version以外のアルバムで、ツアーをしていないのは、
- 『Lover』
- 『folklore』
- 『evermore』
- 『Midnights』
の “ 4 ” アルバム。
ということは、、
テイラーはそういうとこ絶対に間違える人じゃないので、
次にリリースするNewアルバム(TTPD)も含めて ”5つ” と言っていたのか!
と、この『The Eras Tour:Chapter 2』の誕生によって明かされたわけです。
近いうち、それもこのツアー期間中に次のアルバムをリリースすることを、こっそり私たちに教えてくれていたんですね。

話を戻して、、
この日から、セットリストだけじゃなく、オフィシャルサイトやグッズのメインビジュアル、テイラー登場前に流れるイントロなどにもTTPDが追加されました。
また、衣装のバリエーションも豊富になり、毎公演どれが選ばれるのかと予想する楽しみも増えました。
ただ、このTTPDの追加によって、惜しくも以下の6曲がカットされてしまいました。
- The Archer(『Lover』)
- ‘tis the damn season(『evermore』)
- tolerate it(『evermore』)
- Long Live(『Speak Now』)
- the 1(『folklore』)
- the last great american dynasty(『folklore』)
どれも削ってほしくない曲ばかりでしたが、こればっかりは仕方がないですね。
このセットリストの大幅な変更点は、単に ”TTPDの追加” だけではありません。
Eraの順番が変わったり、姉妹アルバムと呼ばれている『folklore』と『evermore』が一つのEraになったりしました。
こういったサプライズで、ロングランツアーでもファンを一切飽きさせないテイラーにあっぱれです。
公演時間
どの公演も45曲ほどで、時間にすると約3時間半。
これまでは2時間〜2時間半ほどでしたが、それをはるかに超える長丁場のライブでした。
見てるこっちも3時間半はかなり体力が必要なのに、テイラーは休憩なしで、ずっと歌って踊り続けて、もちろんファンサービスもたっぷり。
体力バケモノです。
このツアーのために、ランニングマシンで曲のテンポに合わせたスピードで走りながら、全曲歌うトレーニングをしていたそう。
もちろんこれだけではなく、相当過酷なワークアウトをしてきたんだと思います。
いつでもそのときの「最高」を魅せようと、新たなアプローチを試みたり、誰よりも努力したりする姿勢には、本当に脱帽です。
フレンドシップブレスレット
「You’re On Your Own, Kid」(『Midnights』)という曲にこんな歌詞があります。
‘Cause there were pages turned, with the bridges burned Everything you lose is a step you take So make the friendship bracelets, take the moment and taste it You’ve got no reason to be afraid 関係が壊れてもページは捲られていく 何かを失うということは前に進むということ だからフレンドシップブレスレットを作ってその時を楽しんで 恐れる理由なんて何もないから
この歌詞を受けて、ブレスレットを作って交換する文化が生まれました。
ブレスレットにはアルバムや曲のタイトルを入れ、それらのカラーやモチーフを使って作っている人がほとんどでした。
そしてこの曲は、サプライズソングで1番歌われた曲です。
1回どころか、一度も歌われていない曲もある中で、この曲はたぶん10回前後。
“So make the friendship bracelets, take the moment and taste it”
のところは、テイラーもにっこりして歌うんですよね。
みんなも一層大きな声で歌って、ブレスレットをつけている腕をあげたりして。
東京公演最終日にも歌ってくれて、私も半分泣きながら歌って、ブレスレットを掲げました。
「何も恐れなくていい、ただこの瞬間を楽しめばいい」と感じられ、胸いっぱいになる曲です。

私は東京公演までに、80本ほど作りました。
もちろんテイラーの曲を聴きながら。
これはこの色の組み合わせにしようとか、次はどの曲で作ろうかなとか考えながら作る時間が、本当に楽しかったです。
コミュ障の私はあまり交換できませんでしたが、交換するときは、はじめましてなのにすごく自然に話ができて不思議な時間でした。
とても素敵な文化ができたなと思います。
作ったブレスレットはどれも愛着があり、かなりお気に入り🫶🏻
交換してもらったブレスレットたちと一緒に、大事にしまってあります。
またの機会に、今度はもっとたくさんの人と交換できればいいなと思います。
映画化:『Taylor Swift|The Eras Tour』
2023年10月13日から約1か月間、このツアーを収録した『Taylor Swift|The Eras Tour』が世界各国で上映されました。
カットされている曲もありましたが、チャントの予習と心の準備には十分すぎる内容でした。
- The Archer(『Lover』)
- ‘tis the damn season(『evermore』)
- Long Live(『Speak Now』)
- cardigan(『folklore』)
- Wildest Dreams(『1989』)
サプライズソングはこの2曲 ↓
- 🎸 Our Song(『Taylor Swift』)
- 🎹 You’re On Your Own, Kid(『Midnights』)
これをあと数か月後に目の前で観れるのか、、と謎に緊張した記憶があります。
映画館のあの音響と大きいスクリーンで、完璧なカメラワークのライブを観れるなんて贅沢すぎました。
しかも2,000円という破格の料金。
料金設定間違ってない?と思ったけど、アメリカでも3,000円くらい。
『1989(Taylor’s Version)』のリリース日が近いこともあったからか、大人19.89ドル(子どもは13.13ドル)の設定だったそうです。

Disney+ 独占配信:『Taylor Swift|The Eras Tour (Taylor’s Version)』
2024年3月15日から、映画館で上映された『Taylor Swift|The Eras Tour』が、
“Taylor’s Version” になってDisney+で配信されました。
「”Taylor’s Version” になって」というのは、映画ではカットされていた
- The Archer(『Lover』)
- Long Live(『Speak Now』)
- cardigan(『folklore』)
- Wildest Dreams(『1989』)
の4曲と、
サプライズソングに
- I Can See You(『Speak Now』)
- Death By A Thousand Cuts(『Lover』)
- You Are In Love(『1989』)
- Maroon(『Midnights』)
が含まれているバージョンで、映画と全く同じではないよという意味です。
ライブとほとんど同じ内容のものを、Disney+に契約していれば(配信終了にならない限り)見放題。
2025年2月8日時点でも配信されています。
少しでも興味のある方は、ぜひ観てください🫶🏻
ちなみに配信のアナウンスは、日本公演期間中(2024年2月8日)でした。
時差なしで、このサプライズ投稿は嬉しかったですね。
あとからじっくり見れると知って、残り2日間は動画や写真を撮ることよりも、全力でその場を楽しもうと決めたのを覚えています。
ツアーブック
映画、サブスク配信ときて、最後はツアーブック。
2024年11月29日から、アメリカのディスカウントストア「ターゲット」限定で販売されています。
写真を見る限りかなりしっかりしたツアーブックで、相当重いみたいです。
残念ながら、現時点では日本での販売情報はなく、海外にツテがないと手に入れることは難しいです。
いつかは日本でも買えると願って、気長に待つしかないかなと思っています。
It was the end of an era
『The Eras Tour』を完走したテイラーが、Instagramにアップした投稿がコチラ。
テイラーのInstagram(@taylorswift)より引用
かけがえのないものだった
私は確かにそこにいた
鮮明に覚えてる
多くは語らず、「All Too Well」の歌詞を引用していました。
ぴったりのチョイスですね。
『The Eras Tour』という壮大な旅を終えたテイラー。
テイラーのことだから、すでに次の ”何か” を計画してそうだけど、たまにはゆっくり休んでほしいなーという気持ち。
また彼女に会える機会がくることを、楽しみに待ちたいと思います。
テイラー本当にお疲れさま🫶🏻
最後まで読んでいただきありがとうございました。