『The Eras Tour』の全曲レビュー記事です。
1曲1曲のハイライトを残しておきたく、私が参戦した東京公演のセットリストをもとに、サプライズソング以外の全曲を振り返っています。
できるだけ余すことなく残しておきたかったので、かなり長文になりましたが、見どころしかない3時間半を、この記事から少しでも感じてもらえたら嬉しいです。
- ツアーの概要や映画化、サブスク配信について(〜総集編〜)
- 東京公演について(〜東京公演編〜)
は、それぞれこちらにまとめています。↓


セットリスト
まずはセットリストを載せておきますね。

この順に見どころやハイライトを紹介します。
サプライズソングや、4日間それぞれ異なるパフォーマンスだったところは、こちらの記事で詳細を書いています。↓

全曲レビュー
最初に、ステージの形状を載せておきます。

Lover(7thアルバム)
Miss americana & The Heartbreak Prince
ショートバージョンで幕開け。
ダイヤモンドステージに現れ、
”It’s been a long time coming, but”
と最初の1フレーズを歌うテイラーがもうかっこいい。
Cruel Summer
イントロで「Oh,Hi!」とテイラーが軽くあいさつすると、会場から大歓声。
そしてブリッジで会場のボルテージ爆上がり。
テイラーも
「今晩最初のブリッジよ。ここの歌詞知ってる?歌って!!」
と煽るので、みんなで大合唱です。
The Man
メインステージにオフィスセットが登場。
ジャケットを羽織って、曲中男性っぽいポージングを見せながら男性優位社会を皮肉る、この曲のメッセージ性を強く感じられるパフォーマンスです。
You Need To Calm Down
LGBTQの多様性を称える曲ということもあり、会場のライティングや、入場時に配られる光るブレスレットにより、会場がレインボーに染まります。
「The Man」同様、曲のメッセージ性がよく伝わるパフォーマンスです。
Lover
ギターを手にしたテイラーがダイヤモンドステージに来て、オープニングトークが始まります。
テイラーの
「今日披露する曲を聴いたときは、今晩のことを思い出してね」
というメッセージは、テイラーと過ごした一夜の思い出が永遠に色褪せないものであることを伝えてくれているようで、ぐっときます。
イントロがゆっくり流れる中でのオープニングトークは、これから始まる各Eraを巡る旅のちょっとした出発式みたいで、
トーク最後の「My name is Taylor」までと、そのあと始まるこの曲1フレーズ目までの流れがすごく好き。
スクリーンに映し出されたLoverハウスを背に、バンドメンバーと、ペアで踊るダンサーさんたちとのステージです。

The Archer
ライブが始まって初めてTステージまできて、そのままTステージで大半を歌います。
フロアに幾千もの矢が飛び、最後はテイラーがステージ下に沈んでいくところに集まるフロア演出が見どころです。
曲の最後、”Who could stay?” という歌詞に続く、
”You could stay” のところで私たちを指してくれるのは嬉しいですね。
これからもテイラーにそう思ってもらえるファンでありたいです。
FEARLESS(2ndアルバム)
Fearless
お馴染みのイントロで、ゴールドに輝くメインステージからフリンジ衣装でスキップしながらでてくるテイラーが可愛すぎます。
テイラーがくるくる一周回るターンと、ハンドハート🫶🏻 はライブ演出ならでは。
シルバーのストーンが散りばめられたキラキラのギターも衣装と合い、Fearless era らしさ全開です。
You Belong With Me
間奏中にテイラーが腰フリフリするのめっちゃ可愛くてお気に入り。
“I’m the one who 〜 when you know you’re ‘bout to cry” のあとのクラップ×2👏🏻👏🏻 も定番なので、みんなで鳴らします。
フロアやライティングがゴールド一色で、とても煌びやかなパフォーマンスです。
最後、バックコーラスの4人と肩を組み、全員の満面の笑顔がスクリーンに映し出されます。
何年も一緒にパフォーマンスをしてきた彼女たち。
ぜひ写真に納めたいところです。

Love Story
さっきのバックコーラスと組んだ肩をほどき、テイラー1人がイントロに合わせてゆっくりTステージのほうへ歩き出します。
その後に、バックコーラスと他のバンドメンバーも続き、Tステージに勢揃い。
誰もが知っている曲ということもあり、みんなで大合唱。
とても盛り上がり、もっと聴きたいという気持ちが残りつつも、大満足間違いなしのEraです。
このEraは、テイラーとバンドメンバー(バックコーラスも含む)だけのパフォーマンスで、曲の懐かしさも相まって、本当に心温まる時間です。
このメンバーの絆や関係性は、私たちが思うよりずっと強くて特別なんだと思います。
これからもずっとこのメンバーでいろんな音楽を奏でてほしいです。
evermore(9thアルバム)
メインステージに大きな木々が現れます。
アルバムの世界観が再現されていて、テイラーに『evermore』の世界に連れ込まれたような感覚になります。
’tis the damn season
スクリーンにもたくさんの木々が映し出され、その合間からテイラーに向かって差し込む冬の木漏れ日のようなライティングがとても綺麗。
フロアを漂う薄いスモークと相まって、曲の雰囲気にぴったりの空気感が作り出されています。
willow
オレンジに光るオーブ(球体)を用いたパフォーマンスが見どころ。
会場は薄暗く、テイラーとダンサーは黒っぽいマントを着ていてダークな雰囲気が漂う中、ダンサーの持つオーブの光だけが鮮やかで、見入ってしまうパフォーマンスです。
marjorie
会場全体がスマホのライトに包まれ、とても幻想的な雰囲気になります。
この曲でのスマホライト点灯は、このツアーで生まれた文化の一つ。
テイラーは会場を見渡しながら、祖母marjorieさんへの想いを込めて大切に歌っているように見えます。

champagne problems
evermore era のイメージに合わせた、苔をあしらったピアノに座り、最初に少しトークがあります。
サプライズソングのピアノ歌唱を除けば、唯一のピアノパフォーマンスです。
”What a shame she’s f*cked in the head”
という放送禁止用語が入っているフレーズは、待ってましたと言わんばかりに結構みんな叫びます。
ちなみにこのときのテイラーの表情も好き。
それこそ、
「さあ、みんながお待ちかねのところがきたよ」
と言っているような。
切なさ漂う曲だけど、こういった ”楽しみ方” ができるのも、ライブだからこそかもしれないですね。
曲が終わると、会場は大きな拍手に包まれます。
拍手が続いた時間の最長は、なんと約8分。
自然と湧き起こるテイラーへの温かい拍手に、彼女はいつも本当に嬉しそうな表情を見せ、その時間に浸っているようです。
tolerate it
メインステージにダイニングセットが出てきて、テイラーと男性ダンサーの二人が映画のワンシーンのようなパフォーマンスを魅せてくれます。
曲をそのまま映像化したような、それぞれの表情や仕草からストーリー性が感じ取れ、とても引き込まれます。
最後はステージ上が真っ暗になり、芸術的要素がたくさん詰まった evermore era の終了です。
reputation(6thアルバム)
大きな蛇がスクリーンやフロアに現れ、ヒールをコツコツ鳴らしながらメインステージから超かっこよく歩いてくるテイラー。
衣装にも、テイラーに巻きついているような蛇のモチーフが見られます。

…Ready For It?
女性ダンサーととにかくかっこよくキメるこの曲は迫力満点で、会場の熱気が一段と高まります。
重低音が響くサウンドや、噴射口から勢いよく吹き出すスモークなど、パワフルさ全開のパフォーマンスが圧巻です。
Delicate
もうすっかり定番になった
「1, 2, 3, Let’s Go Bitch!」
のチャントは、会場一体となる感じがあり、テイラーも好きな瞬間のようです。
テイラーの足の動きに合わせてダイヤモンドステージの床にヒビが入り、最後には完全に割れるフロア演出にも注目です。
Don’t Blame Me
“Usin’ for the rest of my life” の後のロングトーンは、前回のツアーと今回で少し変えていますが、言うまでもなく、今回も見どころ・聴きどころの一つです。
ステージからまっすぐ上に伸びるライト演出の中、テイラーが乗るリフトステージが上がっていく様子は神々しさがあり、目が離せません。
Look What You Made Me Do
「Don’t Blame Me」のアウトロからこの曲のイントロへの流れは、天才すぎて鳥肌がたちます。
全体的に挑発的なパフォーマンスが印象的です。
これまでのテイラーの姿に扮したダンサーたちにも注目。
スクリーンに映し出される数も含めると、本当にたくさんの”過去テイラー”が見られ、「あれはあのときの衣装」などと、視覚的にも楽しめるステージです。
Speak Now(3rdアルバム)
reputation era とはガラッと雰囲気が変わり、ドラマチックな紫やピンクのライトが照らすステージに、美しいドレスをまとったテイラーが登場します。
プリンセスのようなテイラーは、さっきまで強気な表情で、髪を振り乱しながらパフォーマンスしていた人と同一人物とは思えないほど、柔らかく可愛らしい雰囲気に包まれていて、見惚れてしまいます。
Enchanted
”I was enchanted to meet you” というフレーズのあと、会場全体をぐる〜っと指差ししてくれて、そこから歓声のウェーブが起こります。
薄い紫色のベールのような衣装で、舞うように踊る女性ダンサーも華麗で素敵です。
紫色の花畑の中で歌っているように見えるフロアデザインがこの曲にぴったりだし、ドレス姿のテイラーの美しさがより一層引き立ちます。

Long Live
この曲がセットリストに入っている公演では、「Enchanted」を歌い終わった後もダイヤモンドステージに残り、そこにバンドメンバーがテイラーの左右横一列に勢揃いし、フルの「Long Live」を聴くことができます。
ファンやバンドメンバーに宛てた曲ということもあり、曲中にテイラーが左右のバンドメンバーと目を合わせて笑顔を見せたり、
”I had the time of my life with you” の
”with you” のときにテイラーが正面に向かって指差してくれたり
( ”you” が私たちファンだと示してくれているのだと思います)
と、泣けるパフォーマンスです。
『Speak Now(Taylor’s Version)』リリース以降、
『THE TORTURED POETS DEPARTMENT』リリースまでの
約40公演(全149公演)でしか歌われなかった “期間限定の曲” です。
RED(4thアルバム)
22
なんといっても、22hatタイムが見どころです。
毎公演、幸運なキッズが一人選ばれ、「22」の曲中に、テイラーの被っているhatをテイラー本人からプレゼントして(被せて)もらえます。
ハグやハイタッチもセット。
フレンドシップブレスレットを渡している子もいました。
テイラーは、とびっきりのスマイルと全てを包み込むような優しいハグで、キッズとの数十秒を愛おしむように楽しみます。
ここはいつ見ても、どの公演も、涙を誘います。
歓声や拍手も、その日1、2位を争うくらい大きくて温かく、会場全員が同じような気持ちで見守っているのだろうなと感じます。
We Are Never Ever Getting Back Together
英語圏ではない公演では、ラストサビ前の最後のフレーズ ”like, ever” が目玉。
このフレーズは、テイラーではなく一人の男性ダンサーが、その国の言葉に変えて発します。
東京公演では、「アリエナイ」、「ゼッタイニナイ」、「マジムリ」の3パターンが聴けました。
直前は、なんて言うか聞き取ろうと会場が少し静かになるのがおもしろい。
もちろん、発した直後には大歓声。
各国の言葉を一生懸命覚えてくれたんだと思うと嬉しいですね。
I Knew You Were Trouble
スモークがたくさん噴射されるので、テイラーの髪の毛が静電気で逆立つ様子が見られ、可愛く、おもしろいです。
RED一色のステージで、気迫溢れるパフォーマンス。
この曲なくして、『RED』は語れませんね。
All Too Well(10 Minute Version)
「あと10分くれない?」と話して、待望の 10 Minute Version を披露。
落ち葉や雪が舞う演出は、このアルバムがもつ秋冬の季節感を鮮明に感じさせます。
前半と後半で曲調やライティングが変わり、最後には秋冬の冷たい空気や切なさを漂わせ、さっきまでと同じEraとは思えないような雰囲気で、RED era の幕が閉じます。

folklore(8thアルバム)
小鳥や虫、木々の音が響く中、「seven」の詩がモノローグとして語られます。
evermore のとき同様、follklore の森へ引き込まれていく感覚。
the 1
folklereキャビンと呼ばれる小屋がメインステージに現れ、テイラーが屋根の上に座ったり、仰向けに寝そべったりしながら歌うパフォーマンスです。
実は、ツアー最初の4公演くらいはこの曲ではなく「invisible string」でした。
テイラーのプライベートで何かあったのではと推測されていますが、詳細は不明です。
betty
テイラーが屋根から降りてきて、この曲のストーリーについて話したあと、
「〜 その彼女の名前は、betty」と紹介し、歌唱に入ります。
バンドメンバーの一人が奏でるハーモニカの音色がとてもきれいで心地良いです。
テイラーもギターを弾きながら歌いますが、folklore era の衣装とブラウンのギターがとても合っていて、このeraにぴったりの雰囲気が出ています。
the last great american dynasty
ドレスやタキシードを着たダンサーが登場し、舞踏会のようなステージが見られます。
曲に出てくるRebekah役も一人たて、この曲をそのまま舞台化したような完成度の高いパフォーマンスです。
august
間奏で、テイラーがダイヤモンドステージの端から端までダッシュする ”augustラン” が目玉の曲です。
オレンジや赤紫に染まったスクリーンやフロアは、夏の夕空っぽさがあり、この曲ぴったりのカラーリングです。
切ない思いが伝わってくるパフォーマンスですが、軽やかに揺れる衣装や、暖色のライティングがどこか柔らかく温かさも感じられます。
illicit affairs
感情は、前曲の切なさから次第に怒りへと移っていきます。
ブリッジ部分はみんなで熱唱。
テイラーも感情を剥き出しにして、力強く歌います。
my tears ricochet
会場が真っ暗になり、床に突っ伏した状態のテイラーにだけ一筋の光が差します。
切なさ、怒りときて最後は失望。
テイラーと、まるで喪服を彷彿させる黒いワンピースを着た女性ダンサーたちの無に近い哀愁漂う表情が、曲に込められた感情を表しているように見えます。
スクリーンに映し出される映像もメッセージ性が強く、注目ポイントです。
cardigan
スクリーンやフロアに映し出される、ふわふわと舞うオレンジの光が蛍みたいできれい。
テイラーは全体的に柔らかな動きが多く、その度に衣装がふわっとなびいて、なんだか妖精を見ているようです。
最後はテイラーがキャビン(からステージ裏)へ帰っていき、私たちも folklore の世界から元に戻った感覚になります。

1989(5thアルバム)
folkloreキャビンがスクリーン上に移行したかと思えば、ネオンに照らされ、一気に 1989 era らしい雰囲気になります。
Style
最初はダンサーが出てきて、その後ダイヤモンドステージ下からテイラーが登場。
テイラーもダンサーも歩きながらのパフォーマンスが多く、まばゆいライティングが多方面に広がり、まるでファッションショーのランウェイのようなステージでした。
Blank Space
リフトステージに映し出された車を、ダンサーがゴルフクラブで勢いよく壊しにいくパフォーマンスが見どころです。
車はどんどん凹んでいき、無惨な姿に。
会場全体がブルーにライトアップされ、1989 のアイコニックな雰囲気が反映されています。
Shake It Off
このeraは盛り上がりが一際目立ちますが、この曲のイントロが流れた瞬間、さらに会場のボルテージが上がります。
“Sayin’ it’s gonna be alright” や、
”this sick beat” のあとのクラップ×3👏🏻👏🏻👏🏻 をバッチリ決めたら、歌って踊ってとにかく楽しむ。
”And to the fella over there with the hella good hair” に続く、
”~shake, shake, shake” に合わせて長髪の男性ダンサーが頭を3回まわすところもお見逃しなく。
Wildest Dreams
前曲の余韻を残しつつ、テイラーの心音(この曲にはテイラー本人の心臓の音が使われています)が響き始めます。
ここでちょっとドリーミーでロマンチックさのあるこの曲を入れてくるのは意外でしたが、だんだんと不穏な炎が立ちのぼり、完璧な流れで次の「Bad Blood」のイントロに移っていきます。
ここに必然な選曲で、フルパフォーマンスではないのに、見事に空気感をコントロール。
Bad Blood
ダークで危険な雰囲気が会場に広がり、テイラーも強気な表情を見せます。
スクリーンに映し出されたLoverハウスが燃えていき、最後の ”hey!” と同時に焼け落ちてしまうのが印象的。
曲が終わるとすぐに会場が真っ暗になり、そのわずかな時間で次のサプライズソングに向けてスタンバイがされるというこのeraのエンディングもうまいですね。

THE TORTURED POETS DEPARTMENT(11thアルバム)
2024年5月9日のパリ公演からは、ここ(1989 era とサプライズソングの間)に
THE TORTURED POETS DEPARTMENT(以下TTPD) era が入ります。
残念ながら私は、TTPD era が入ったセットリストになってからの公演(『The Eras Tour:Chapter 2』)には参戦してないので、このアルバムのパフォーマンスはSNSでしか見ていません。
それでも、圧巻のステージだったことは、動画や画像から十分伝わりました。
TTPD era が加わった『The Eras Tour:Chapter 2』もいつかフルで見たいと切実に思います。
※『The Eras Tour:Chapter 2』は私が勝手にそう呼んでいるだけで、公な呼び名ではありません。
サプライズソング(アコースティックセクション)
ここで、アコースティックでのパフォーマンスタイムがあり、
ギター🎸1曲 + ピアノ🎹1曲
の合計2曲を、Tステージで披露してくれます。
この2曲は毎公演異なり、どの曲が披露されるかは歌うまでわかりません。
「今日のサプライズソング何かな」と毎公演の楽しみの一つでもあります。
ちょうど日本公演の次の開催地、オーストラリアでの公演から、ほとんどがマッシュアップになりました。
毎回、SNSであがっている動画でサプライズソングはチェックしていたのですが、どれも最高のマッシュアップで、やっぱりテイラーの音楽センスは神がかっていますね。
どの組み合わせでもいいから、一回聴いてみたかったなーとちょっとうらやましく思いました。
ほとんどの曲において言えることですが、
この曲をギター/ピアノで聴けるとは、とか、
この曲たちがマッシュアップになるのか、とか、
この先もう聴けなさそうなパフォーマンスばかりで、全公演のサプライズソングだけを収録した映像コンテンツをリリースしてくれないかなと本気で思います。
Midnights(10thアルバム)
サプライズソング2曲が終わると、ステージフロアが水面に変わり、テイラーが飛び込みます。
飛び込んだときの水の音や、その後メインステージまで泳いでいくテイラーの映像がかなりリアルで、ここも見逃せないポイントです。
メインステージまでテイラーが泳いでいくと、スクリーンに波が打ち上げられ、「Midnights」の文字が現れます。
Lavender Haze
スクリーンに、はしごを登って雲の上へ向かうテイラーが映し出され、姿が見えなくなると、ダイヤモンドステージ下からテイラー本人がステップを上がりながら登場。
ライブ全体を通して言えることですが、
映像と実際のモーションが違和感なく調和していて、視覚的な一体感があり、どこをとっても、妥協なく完璧な構成になっているのがわかります。
雲とはしごをモチーフにした大道具が登場しますが、これだけはなぜかチープ感が否めない。
それはさておき、ラベンダーのファージャケットをちょっと着崩しながらパフォーマンスする姿は、このeraの大人っぽさや真夜中の魅惑的な雰囲気を感じさせます。
Anti-Hero
自分をアンチヒーローに例えたこの曲は、サウンドはポップですが、孤独やフラストレーションなど、大スターならではの葛藤を描いた曲です。
”I’m the problem” をはじめとするネガティブな歌詞や、自己否定感や過去のトラウマを象徴しているかのようなMVが印象的ですが、
ライブでは ”It’s me, hi” 👋🏻 でみんなで手を降ったり、最後は腕をオーバーに振って歩いてきて可愛いヒーローポーズを見せてくれたり、終始盛り上がります。
Midnight Rain
序盤にリフトステージからテイラーがふわっと落ちて、大きな傘で覆われながら、さっきまで来ていたファージャケットから、Midnightsカラーのボディスーツに早着替え。
暗めのブルーのライティングや、ポツポツと光る雨の演出はとても雰囲気があり、静かな美しさに心が洗われるような感覚になります。
そして、お待ちかねの
”Except for when I’m on TV” のあとに見せるキュートなスマイルや決めポーズは、見逃せないシャッターチャンスです。
Vigilante Shit
前曲のアウトロに重低音を被せて、ライティングが赤黒く変わっていくトランジションがカッコ良すぎます。
キレとしなやかさを兼ね備えた椅子を使ったパフォーマンスは圧巻で、威圧感や内に秘めた復讐心が漂います。

Bejeweled
ダークな雰囲気が続いていた中、この曲のイントロが流れはじめると、テイラーやダンサーの表情、会場が一気に明るくなります。
スクリーンもフロアもたくさんの宝石で埋め尽くされ、ライティングもまばゆく、まさにBejeweledなステージです。
何度も出てくる ”shimmer~” という歌詞に合わせた「shimmerダンス🫳」もすっかりお馴染み。
ダンサーの見せ場もあり、テイラーと一緒に「Nice!!」と言いたくなります。
Mastermind
チェスボードのようなフロアデザインと、テイラーがダンサーたちの動きを指揮しているようなパフォーマンスは、「戦略」や「計画」といったこの曲のコンセプトを視覚化していて、注目のステージです。
ダンサーたちの息の合った動きは、あの日体大の『集団行動』のようで、曲が終わると自然と拍手が湧きます。
Karma
あっという間の3時間半を締めくくる最後の曲。
カルマとは「業(ごう)」を意味し、
良い行いは良い結果(幸福や成功)を、
悪い行いは悪い結果(不幸や障害)を
もたらすという考えです。
テイラーはこのアルバムをリリースした際に、
「これまで正しい行いをしてきた結果として、自分の人生が本当に誇れるもので、幸せだと思える感情をもとに作った曲」と話しています。
テイラーの勝利ソングともいえるこの曲をラストにもってきて、こんなに気分爽快で晴れやかに締めくくるなんて、さすがとしか言いようがありません。
テイラーもダンサーもカラフルなファージャケットを羽織って、ライティングも含め、ラストに相応しくとても華やかなステージです。
彼女の恋人トラヴィス・ケルシー(カンザスシティ・チーフスに所属するアメフト選手)が観に来ている公演では、
“Karma is the guy on the screen coming straight home to me”
という歌詞を
“Karma is the guy on the Chiefs coming straight home to me”
に変えて歌うという仲良しっぷりをみせてくれることもあります。
これはにやけてしまいますね。
最後は手を振りながらゆっくりと会場を見渡し、割れんばかりの歓声と拍手を受けてダイヤモンドステージ下へと降りていきます。
(ツアー最終日だけは、ダンサーたちとみんなでメインステージまで帰っていきました。)

全体レビュー
最後まで全く疲れを見せず、むしろ後半のほうが力強く勢いがあるんじゃないかと思えるほど、テイラーの歌唱や動きにブレがなく、これぞプロフェッショナルという彼女の本気を感じました。
スクリーンの映像や、ライティング、フロアデザインなど、パフォーマンス以外もすべて抜かりなく、
ライブというよりもはやエンターテイメント。
セットリストの組み方も完璧で、どのeraも曲数に関係なく、テイラーが生み出したマスターピースを余すことなく堪能できる構成になっています。
また、今回は クラップ👏🏻 や 掛け声🗣️ などのチャントもたくさんあり、一つひとつの時間は短いですが、それがあるからより一層楽しめるようになっていて、みんなでその瞬間を共有している感覚が強く感じられました。
そして何より、テイラー本人が一番楽しんでいるように見えたのが印象的です。
誰よりも音楽と自分の作品が大好きで、それを最高の形で世界に届けてくれました。
公演数や公演時間、曲数など、何もかもこれまでと比べものにならない異次元のツアー。
テイラーの、この時点での最高到達地点を体感することができて、生きていてよかったと、大袈裟かもしれないけど、本当にそう思わせるほどの素晴らしい経験になりました。
Fin.
私個人の感想をできるだけ少なくして、各曲どんな感じだったかざっくりわかるような記事したつもりですが、、
本当に長くなってしまいました。
最後まで読んでくださった方、ありがとうございます。
感想は、『 〜東京公演編〜 』でもっとフランクな文面で書いてるので、よかったらこちらも🫶🏻 ↓
